人は意識しているかどうかに関わらずに重力の影響を受けながら姿勢の制御や
動作を行っています。物体に作用する重力の合点を重心(質量中心)といい、
重心を通る垂直線を重心線といいます。人の重心は足底からおよそ
男性で56%、女性で55%の位置にあるといわれ、これは仙骨の2番目付近に
当たります。
理想的な立位姿勢での重心線
後方から視認した場合重心線は
① 後頭隆起(後頭部の出っ張り)
② 棘突起(背骨の出っ張り)
③ 殿裂(おしりの割れ目)
④ 膝関節内側の中心
⑤ 両側の内果(内くるぶし)の中心を一直線上に結びます
また側方から視認すると重心線は
① 乳様突起(耳うしろの出っ張り)
② 肩峰
③ 大転子(太もも横の出っ張り)
④ 膝蓋骨の後方
⑤ 外果(外くるぶし)の前方を一直線上に結びます。
理想的な立位姿勢のもとであれば、耳・肩・骨盤・膝・くるぶしが
正面から見たときに同じ高さにきます。
しかし、理想的な姿勢でいらっしゃる方はほとんどいません。
足を組んだり、お子さんを抱っこしたり、デスクワークで長いこと猫背で
座っていたりとさまざまな生活習慣で姿勢は歪みを生じます。
当院では10年にわたる経験から独自の問診、触診、検査法により、
足関節、股関節、骨盤、背骨、筋肉の状態、歪みの程度を把握し、
その症状によりいくつかある矯正法の中から、その人その人に
合わせて施術を施します。
では、どのような方が姿勢・骨盤矯正をするべきでしょうか?
以下の項目で当てはまるという方は注意が必要です!!
□ 出産経験がある
□ 椅子に座るときに、足を組むことが多い
□ かばんをいつも同じ方の肩にかける
□ O脚・X脚である。またはそう思う
□ 寝るときは、いつも横向きである
□ 足や下半身が疲れやすい
□ 鏡でみると肩の高さが左右対称でない
□ 食べる量に関係なく太りやすい
□ 足の長さが左右で違うと言われたことがある、また違う気がする
□ 硬いものを噛むときは決まった方の顎(あご)を使う
□ デスクワークである
□ 猫背である
□ テレビを家で見るときに正面ではなく、横から見る
□ 抱っこしなくてはならないお子さんがいる
□ 立ったときに、どちらかの足に体重がかかっている
□ スマホを1日2時間以上みている
最近では若い年齢層(小学生)の方も猫背が増えてきています
スイッチやDS、タブレットを使用して、頭だけで下を向くので
横から見ると頭部だけが突出して見えるのが特徴です。
逆に高齢者の方は、腰のあたりから体が折曲がり、ひらがなの
「く」のような形になり、バランスが悪いので膝に手をあてるか
杖や手すりを持つ、手を後ろで組むことでバランスをとります。
施術内容は?
症状に合わせて、体の歪みの原因となっている筋肉の緊張を
とったり、関節のアライメントをとって調整します。
効果は?
この女性の場合は骨盤矯正後にまだ座位にて、肩の高さの違いが
見受けられ、右広背筋の緊張をとることで当日のうちに矯正は
完了しました。
こちらの女性の場合は、立位時に前後方向の動揺性があり、
立位時に何かにつかまらずにいられず、左の写真では壁に手を
つかれています。つかまらないときは「く」の字に近い立位の
状態でした。体が前傾してしまうので広背筋・僧帽筋などに
張りがあったので、そこの緊張をとり、まずは3種類の腹筋を
していただき、2週間ほどして背筋を鍛えるトレーニングを
日常生活で取り入れた頂ました。右の写真は初診から1カ月後の
写真ですが壁に手をつかず、立位が保持できるようになりました。
一口に「骨盤矯正・姿勢矯正」といいますが、受けられる患者様に
よってすぐに矯正できるものや、筋トレの宿題を交えて二人三脚で
矯正していくものなど様々です。
料金、通院頻度は?
料金は初回問診込みで 2,000円
以後は一回施術ごと 1,000円
となります。通院頻度は
状態にもよりますが、基本的には1回の矯正で
2週間は状態がもちます。2週間後に来院して頂いて
ズレが無いようであれば、どこかに違和感が出たり
ズレてきた気がするまでは来院されなくて結構です。
足の長さ、肩の高さがぴったり合ったり、
背骨の棘突起の流れがまっすぐになって喜ばれる方が
多くいらっしゃります。気になった方は是非お試し
ください。